モンテッソーリ教育とは?
当園では「モンテッソーリ教育」を基盤とした保育を行います。
モンテッソーリ教育とは、は、「子どもには自ら育つ力がある」という考えを出発点に、子どもが自分で考え、選び、行動し、納得して終える経験を重ねられるよう環境を整える教育法です。
大人は知識を教え込むのではなく、子どものもつ発達の課題をよく観察し、必要なときにだけ手を差し伸べる“援助者”として関わります。
“自由”について
モンテッソーリ教育では、「自由」について深く考え、子どもの自由を大切にします。
子どもは、自由が保証された環境の中で、自ら考え、自ら選び、自ら行動するからこそ、自分自身の可能性を開花させ、自分らしく大きく成長することができます。
つくばモンテッソーリこどもの家は、この「自由選択活動」を最大限実現するために、園の物的環境や人材配置、一日の活動のタイムスケジュールなどを整えております。
特に重要なのが、「活動時間」となります。
子どもが自由に考え、選び、繰り返し活動するためには、十分な時間が必要です。
当園では、最低でも3時間の自由選択活動の時間を確保する(多い日は5時間以上)ことで、子どもたちのが十分に自由選択活動ができる時間を保証しております。
制限のある自由
当園の考える自由は「何でも好き勝手に行動しても良い」というものではなく、「制限のある自由」のことを指します。
例えば、以下のようなものを指します。
- 選ぶ自由:自分の活動を自分で選び、繰り返し活動ができる。(お友達が使っている教具は使えない制限がある)
- 移動の自由:必要なときに移動し、片づけまで自分で行う。(周りの迷惑にならないよう、走ってはならない制限がある)
- 発言の自由:自分の思うことを伝えて良い。(周りの迷惑にならないよう、声量は小さく、話すタイミングを選ぶなどの制限がある)
この「自由」は他者や環境を尊重するルールとセットで保証されます。
物的環境
当園では、モンテッソーリ活動を十分に行えるよう、子どもの発達段階に合った教具・道具が、子どもサイズで、自分で取り出して片づけられる配置になっています。
教具は、
- 魅力的で触りたくなる
- 抽象的ではなく、手を動かして触って確かめられる具体物である
- 自分で間違えに気がつき、繰り返し挑戦できる
など、様々な特徴があります。我々モンテッソーリ教師は道具や教具の使い方を教えるだけで、環境、教具そのものが「先生」の役割を果たします。
人的環境
国際モンテッソーリ教師資格を持つ保育者
当園はマリア・モンテッソーリが約100年前に創設した国際モンテッソーリ協会(AMI)の発行する教師資格を持つスタッフによる保育を行います。
約100時間の観察実習や教育実習、140時間の教具の提供練習、モンテッソーリ教育理論の受講等を修了し、筆記試験、実技口頭試験に通った人材を確保しております。
異年齢保育
当園は、3歳~6歳までが共に過ごす異年齢縦割り保育を行います。
これもモンテッソーリ教育の特徴の一つです。異年齢構成にすることで、子ども達は大人ではなく子ども達からも多く学び、また、年長者が自然と年少者に教えるようになり、その中でより自らの能力を洗練させる効果があります。
また、年齢も体の大きさも、日々行う活動も異なるメンバーが同時に存在するのが当たり前の環境なので、多様性への尊重が自然と身につきます。
モンテッソーリ教育の4領域
日常生活の練習
子どもが使いやすいサイズの「本物の道具」を使い、日常生活で行うような身近な活動を行います。
繰り返し集中して活動をする経験を積むことで、自立を促し、自己肯定感へと繋がります。
この先に待っている知的活動の基礎を作る非常に重要な領域です。
活動例:水を注ぐ/スポンジで拭く/ちょうちょ結び/花を生ける/洗濯/鏡を磨く など
感覚教育
科学的に正確に作られた特徴的な教具を用いて、大きさ・重さ・色・音・香りなど、五感から入る情報を整理し、洗練させる活動です。
数学的な美しさ、小さな差異や秩序の発見など、数教育や小学校教育との関わりも深い領域です。
活動例:ピンクタワー(大きさ)/色板(色相・濃淡)/雑音筒/嗅覚筒(嗅覚)/ など
言語教育
子どもが母語を自由自在に扱えるよう援助するための領域です。
子どもの言語発達に沿った方法で、話し言葉からはじめ、書き言葉、読み言葉へと進んでいきます。
特に書き言葉の活動はよりスモールステップに活動が別れていることで、活動の中で自然と楽しく書き言葉を身につけていきます。
活動例:絵カード/砂文字/鉄製はめ込み/移動五十音/構文読解/品詞の活動 など
数教育
「数」という抽象的な概念を触って感じれる教具を使い、手を動かしながら数の概念を習得していきます。
活動はスモールステップになっており、徐々に抽象的な活動へとつながっていきます。
感覚的に数の活動ができることから、大人が「この方法で学びたかった!」とよく言う光景を目にします。
活動例:数の棒/ビーズとカードによる四則演算/平方、立法の鎖/色ビーズのかけざん など